A.B.C-Z主演『ジャニーズ伝説2019』が絶賛公演中の今日この頃、私も2回観劇したので感想を。
■テーマは“未来”
幾度も公演されている『ジャニーズ伝説』。
私は2017、2018、2019版を観劇しました。
これまでは過去のジャニーおよびジャニーズが成し遂げたことの振り返りだったのに対し、今回は未来に向かって新しい時代を創っていくという思いが強い演出であると感じました。
ジャニー社長(をほのめかす存在)の役割が完全になくなり、現代の子どもたちが戸塚の案内で過去の歴史を学んでいくといった構造。
初代ジャニーズの配役は変わらず、橋本・河合・五関・塚田の4人。
小さい子との質疑応答を交えながら過去の出来事を戸塚が解説していくので、なんとなく教育番組を見ているような気持ちにも・・。
1幕のクライマックスでは子どもたちの「僕らで未来を創っていくんだ!」みたいな台詞があったり、“未来=今の子どもたち”という単純明快で分かりやすい演出であると感じました。
■過去作との比較
おそらく2018版は完成されすぎたのだと思う。
2019版を観た人の賛否のうち、否の意見で多いのは戸塚の立ち位置だと思う。
2019版は戸塚の出演時間が少ない。過去の物語のメインメンバーではないので当然舞台に居る時間は少なくなる。
極端に言えば、今作の戸塚は1幕では子どもたちと触れ合っているだけなので、特に演技をしているわけでもない。(ディボーゾン役は戸塚だが、登場シーンはこれまでほど濃い時間ではなくなっている。)
また、ジャニー社長(と思われる)役が無いことで、これまでの彼の台詞が他の4人に割り当てられるようになった。
これにより初代ジャニーズ4人で自発的に前向きになったり、“4人だけで”成長したような印象を受けるようになったと思う。
ジャニーから言われるから言葉のチカラがある、言葉の重みがある、そういった場面もあったはず。同じ台詞でもメンバー側から発信されると途端に軽くなり、ただの状況説明・心境説明になってしまっているのではないか。
きっと初代ジャニーズの物語において、ジャニーという存在はないがしろにしてはいけないのではなかったか。
その点、2018版は戸塚が完全にジャニー役だったので、4人とジャニーのやり取り、4人がジャニーに励まされる、お互いが信頼しあう、とても人間味がある“物語”だったように思う。
1幕最後、解散を決め互いの道を進むジャニーズ4人を見送る戸塚。
ここの「誰も彼らを責めることはできないよ」の台詞は2018版の方がグッときた。ジャニーとしての心からの気持ちだったんだと思うから。
2018も2019もストーリーの端折り方は大して変わらないのが、物語要素が薄い分2019版はちょっと展開スピードが早い部分もあったかな・・と思うところもある。
■終わりに
2018は物語、2019はドキュメントといった感じだろうか。
どっちが良くてどっちが悪いという話ではなく。何を表現したいか、何を伝えたいかの違いだと思うので、この投稿は賛否を論じたものではないです。2018版側の賛が若干多めにはなりましたが・・
2018版の1幕のラストがホントに好きなんです。5人で和気あいあいとクリエイトしている回想シーンで幕が下りる・・。物語の最後の1ページを閉じるような、まさにレジェンドストーリーを読み終えたようなある種の読後感のあるラスト。これはもう一度観たい!
■ぶっちゃけ・・
2017・2018と2019の印象はキャストの違いが大きいと思う。
やっぱりトラジャ強い。MADEも心強い。トラジャ・MADE揃ったら5人がしたいパフォーマンスのレベルもそりゃ上がるよな・・と。
今回は“未来”がテーマだし、子どもたちがキャスティングされるのも不思議ではない。(キャスティングの時点でテーマが決まっていたかは不明ですが。)お兄ちゃんしている5人も微笑ましいので、その点では戸塚はとても叔父さん感が出ていてただただ好印象。
でもトラジャ・MADEを従えてガシガシ踊る2幕も、もう一度観たいなと思わざるを得ないのです。
コメント